シェフのレシピと技を伝授!Chef's

プロのシェフが、レコルトのアイテムを使って
プレミアムなレシピと技を伝授する「Chef’s ★★★」。
シリーズ2回目のテーマは
スイーツ店のパティシエがつくる【本格洋菓子】です!

vol3

Kogasaka Bake
トップパティシエール・藤田実花

Mika Fujita

1985年、三重県出身。名古屋製菓専門学校卒業後、シティホテルの厨房で約2年間パティシエとして勤務。その後、イタリア料理店の立ち上げに参加し、料理、デザートの開発に携わる。2009年「キープ・ウィルグループ」に入社。グループ店のパティシエ、販売などを経て、「Kogasaka Bake」のトップパティシエールに。現在はレシピ開発を中心に活動している。

プロならではの発想で作られるスイーツを、自分の家で作ってみたい、というレコルト・ユーザーの夢を実現するお菓子レシピ講座。今回は、きめ細かくしっとりとしたパウンドケーキが評判の「Kogasaka Bake」トップパティシエール、藤田実花さんに教えていただきます。

りんごのパウンドケーキ・イチジクと紅茶のパウンドケーキ

お店の看板商品であるパウンドケーキは、一般的なレシピよりも水分量が多いのが特徴です。味の中心になる食材の水分を活用して仕上げているのですが、今回は家庭でも作りやすいように、1つの生地で2種類の味が楽しめるレシピにアレンジしました。卵白をメレンゲにしてから生地に加えることで、しっとりとした食感を作り出しています。『りんごのパウンドケーキ』で使っているりんごの品種は“ふじ”です。お菓子には紅玉が使われることが多いのですが、“ふじ”のほどよい酸味としゃきしゃきとした歯触りがよく合うので試してみてください。また、パウンドケーキの作り方は比較的シンプルな手順ですが、バターと卵は必ず室温に戻しておいてください。材料の温度に気をつけることで、しっとり、きめ細かく焼き上げることができます。

材料

パウンド型は、およそ 縦170×横80×高さ60mmのものを使います。今回は、それぞれ2台ずつに合わせた分量です。できるかぎり正確な計量と、温度調節を心がけましょう! バターと卵は必ず室温に戻しておいてください。

  • 【A】りんご
    りんご(ふじ・正味)120g
    グラニュー糖24g
    はちみつ24g
    具材、飾り用のりんご(ふじ)120gずつ
    生クリーム(乳脂肪分35%)30g
  • 【B】イチジクと紅茶
    ドライイチジク90g
    ラム酒15g
    紅茶の茶葉(アールグレイ)3g
    牛乳75g
    具材用の紅茶の茶葉(アールグレイ)3g
    飾り用のドライイチジク(半分に切る)30g
  • 【C】生地
    バター260g
    グラニュー糖260g
    324g
    薄力粉260g
    ベーキングパウダー8g
    アーモンドプードル90g
    パウンド型にぬる無塩バター適宜

作り方

Step 1
【A】りんごのパウンドケーキの下準備

りんごのジャムを作ります。りんごは皮をむいて芯を除き、ジャムに使う分量120gを[カプセルカッター キャトル]で粗みじん切りになるくらいまで撹拌します。途中、容器の側面にりんごがついて空回りするときは、スパチュラでりんごを落とし、水分が出る手前まで撹拌します(りんごの食感を残すため、撹拌しすぎないように注意)。

鍋にりんご、グラニュー糖、はちみつを入れ、弱火で約10分、へらで鍋底から混ぜながら焦がさないように煮ます。りんごから出てきた水分を飛ばした状態にするのが目安です。具材用のりんごは、皮をむいて、約5mm厚さのいちょう切りにします(りんごの厚み、大きさはお好みですが、大きすぎると生地の中に水分が残って傷みやすくなるので、しばらく保存したい時は小さめに切る方がおすすめです)。飾り用のりんごは、皮つきのまま薄切りにします。

Step 2
【B】イチジクと紅茶のパウンドケーキの下準備

ドライイチジクは、ラム酒に浸して30分ほどおき、やわらかくします。ドライイチジクがやわらかくなったら半分に切り、[カプセルカッター キャトル]にラム酒ごと入れて撹拌します。ピュレ状にならないように、食感が残る程度に細かくするのが目安です。

紅茶の風味を牛乳に抽出します。鍋に牛乳を入れて火にかけ、沸騰したら紅茶の茶葉を加えます。20~30秒加熱し、再び沸いて泡が茶葉に覆いかぶさったら火を止め、そのまま1分ほど蒸らして、茶こしでこします。

Step 3
【C】生地を作る

バターは電子レンジで軽く温めて、扱いやすくしておきます。卵は、卵黄と卵白に分けます。大きいボウルにグラニュー糖とバターを入れ、空気を入れながらゴムべらで混ぜ合わせます。バターとグラニュー糖が一体化して、バターが白っぽくなったら、卵黄を2個ずつ加えて混ぜ合わせ、なじませながら、残りの卵黄も加えて混ぜ合わせます。さらに、アーモンドプードルをほぐしながら加えて(粗いこし器にかけてもよい)、全体がなじむまでさっくりと混ぜます。

メレンゲを作ります。[ハンディブレンダー スリム プラス]の[カップ]に卵白を入れ、少し角が立つくらいまで泡立てたら、一旦休ませます。次に、薄力粉とベーキングパウダーを、ふるいにかける代わりに[カプセルカッター キャトル]で軽く撹拌します。

生地のボウルに撹拌した粉を一気に加え、粉っぽさが少し残る程度にゴムべらでさっくりと混ぜます。休ませておいたメレンゲをさらにしっかりと角が立つまで泡立て、生地のボウルに少しずつ加えながら、ゴムべらで切るように混ぜて全体をなじませます。

Point

メレンゲは混ぜる直前に完成させ、フワフワの状態で生地と混ぜます。すると軽い生地になり、きめ細かくしっとりとした食感になります。

Step 4
りんごのパウンドケーキの焼き上げ準備

STEP3の生地を半量ずつに分けてボウルに入れます。片方の生地にりんごのジャム、生クリーム、具材用のりんごを加え、ゴムべらでむらなくさっくりと混ぜます(混ぜすぎないように注意。混ぜる回数を少なくイメージしながら均等に混ぜます)。パウンド型2台の内側にバターを薄くぬり、同量の生地を入れたら、型を少し持ち上げて1~2回落とし、生地が隅まで行きわたるようにします。まんべんなく焼きあがるよう、火の通りにくい中央部分をゴムべらでへこませ、飾り用のりんごをのせます。

Step 5
イチジクと紅茶のパウンドケーキの焼き上げ準備

STEP3のもう一方の生地に紅茶の茶葉、STEP2の紅茶の風味を抽出した牛乳を加え、ゴムべらでむらなくさっくりと混ぜます。続けて撹拌したイチジクを加え、さらに全体をさっくりと混ぜます。STEP4と同様にパウンド型2台に生地を分けて流し入れます。

Step 6
パウンドケーキを焼き上げる

それぞれ、160℃に予熱したオーブンで約40分焼きます。イチジクと紅茶のパウンドケーキは、焼きはじめて15分ごろに、飾り用のドライイチジクをのせます(焼く前にのせるとイチジクの重さで沈んでしまうので、途中でのせます)。表面がふっくらと膨らみ、竹串を刺して生地がついてこなければ焼き上がり。パウンド型と生地の間にナイフを入れて型からはずし、ケーキクーラーの上にのせて粗熱を取ります。

Step 7
完成!

切り分けるタイミングは、型からはずしてケーキクーラーにのせ、水分が全体に回って粗熱が取れたところが目安です。高温多湿を避け、冷暗所で約1週間保存可能です。

Chef’s Voice

「バターと卵を室温に戻しておくこと、生地の仕上げにしっかりと泡立てたメレンゲを加えることがきめ細かくしっとりと焼き上げるポイントです。りんごのパウンドケーキは、りんごの水分が多いため、冷蔵庫に入れて保存しましょう。今回、作りやすくするために計4台分の分量になっていますが、日持ちする焼き菓子なので多めに作ってみてください。日がたつにつれ、おいしさが変化するのもパウンドケーキの魅力です。常温になったパウンドケーキは、電子レンジ(500W)で15秒ほど温めると、しっとり感がさらに増します」

レコルト[カプセルカッター キャトル][ハンディブレンダー スリム プラス]を使ってみて

「りんごのジャムを作るときに[カプセルカッター キャトル]をはじめて使ったのですが、りんごが一瞬で細かくなってびっくりしました。イメージしていたよりもパワーがありますね。業務用のフードプロセッサーは果肉が細かくなりすぎて、ジュース状になってしまうことがあるのですが、[カプセルカッター キャトル]は加減の調節がしやすく、サイズ的にもパワーも最適だと思いました。今回、生地に加えたメレンゲは、手元で2度撹拌する必要があるのですが、[ハンディブレンダー スリム プラス]は手早く泡立てることができ、とても使いやすかったです。ハンディブレンダーを作業中に立てて置けるところも便利だなと思いました」

Restaurant Information

Kogasaka Bake

こがさかベイク

東京都町田市高ヶ坂5-12-1
電話 042-860-6996
11:00~17:00
水曜日定休
https://www.kogasaka-bake.com/

Photos_Keiko Ichihara Text_Yukari Akiyama Edit_Ayumi Kinoshita(POLYVALENT), Jun Asami(EATer)