シェフのレシピと技を伝授!Chef's

プロのシェフが、レコルトのアイテムを使って
プレミアムなレシピと技を伝授する「Chef’s ★★★」。
シリーズ2回目のテーマは
スイーツ店のパティシエがつくる【本格洋菓子】です!

vol2

Ryoura
オーナー・菅又亮輔

Ryosuke Sugamata

1976年、新潟県出身。製菓専門学校卒業後、新潟市内のパティスリー勤務を経て、26歳で渡仏。ノルマンディ、ローヌアルプ、アルザス、パリなど、フランス各地で3年に渡り修業をする。帰国後、「ピエール・エルメ サロン・ド・テ」にてスー・シェフを務める。2007年12月「ドゥーパティスリーカフェ」のオープニングからシェフパティシエとして腕をふるい、2013年12月末、独立に向けて新たな一歩を踏み出す。2015年10月、自身がオーナーを務めるフランス菓子の店「Ryoura」をオープン。スペシャリテのマカロンをはじめ、オリジナリティあふれるお菓子が評判。

プロならではの発想で作られるスイーツを、自分の家で作ってみたい、というレコルト・ユーザーの夢を実現するお菓子レシピ講座。今回は、伝統と新しさを融合したフランス菓子が人気の「Ryoura」のオーナーシェフ、菅又亮輔さんに教えていただきます。

イボワール

シェフパティシエを務めていたフランス菓子店でお出ししていたことがある、講習会でも評判のお菓子です。『イボワール』とは、フランスの老舗チョコレートメーカーによるホワイトチョコレートの名称。ミルクとバニラの繊細な香りが特徴のこのホワイトチョコレートを主役に、パッションフルーツのクリーム、パッションフルーツとアプリコットのゼリー、クランブルなどで構成しています。5つの工程を経て、順番に重ねながら層ができるように仕上げていきますが、時間と手間をかけたぶん、本格的な味と食感が楽しめるのが魅力です! 今回のレシピに限らず、お菓子作りで大切なポイントに、材料の温度管理があります。特に、この『イボワール』は材料を合わせたときの温度が成功のポイントになります。見た目の状態を確認しながら、調理用の温度計を使って、チャレンジしてみてください

材料

できるかぎり正確な計量と、温度調節を心がけましょう! 冷凍庫で冷やし固める工程があるので、【A】は前日に作っておくとより作業しやすくなります。

  • 【A】クリーム パッション
    パッションピューレ58g
    オレンジジュース10g
    卵黄38g
    全卵45g
    グラニュー糖38g
    無塩バター45g(1.5cm角に切る)
    板ゼラチン0.7g
  • 【B】クランブル
    アーモンドパウダー65g
    強力粉65g
    グラニュー糖65g
    無塩バター65g(1.5cm角に切る)
    自然塩1.3g
  • 【C】ジュレ アプリコ パッション
    パッションフルーツのピューレ73g
    オレンジジュース55g
    冷凍アプリコット(ハーフ)36g
    グラニュー糖27g
    トレハロース4g
    板ゼラチン2.3g
  • 【D】ババロワーズ イボワール
    イボワール(ホワイトチョコレート)137g
    板ゼラチン5.2g
    生クリーム(乳脂肪分35%)300g
    [アングレーズソース]
    ・卵黄40g
    ・グラニュー糖20g
    ・牛乳100g
    ・生クリーム(乳脂肪分35%)100g
  • 【E】グラサージュ ショコラ ブラン
    イボワール(ホワイトチョコレート)300g
    生クリーム(乳脂肪分35%)120g
    水あめ6g
    30ボーメシロップ(※印参照)20g
    ナパージュヌートル240g

    ※30ボーメシロップは、水とグラニュー糖を1対1の割合で合わせて火にかけ、しっかり沸騰させてグラニュー糖を溶かし混ぜながら水を殺菌し、火を止めて冷ます(約1ヶ月冷蔵保存可能)

  • その他のトッピング材料
    ココナッツファイン適宜
    イボワール(ホワイトチョコレート)適宜
    ドライフルーツ(アプリコット、オレンジ)適宜
    金箔適宜

作り方

Step 1
【A】クリームパッションを作る

板ゼラチンは氷水でふやかしておきます。①ボウルに卵黄、全卵、グラニュー糖を入れ、ホイッパーでしっかり撹拌します。②グラニュー糖のつぶつぶがなくなったら、パッションフルーツのピューレとオレンジジュースを加え、③ステンレス製のボウルの場合はそのまま、それ以外のボウルの場合は小鍋に移して弱火にかけます。焦げないように常にボウル(または小鍋)を回しながらホイッパーで撹拌します。④クリームがもったりしてきたら火からおろし、⑤水気を絞ったゼラチンを加えて溶かし混ぜます。⑥網目のこまかいざるに移して⑦しっかり裏ごしします。⑧[カプセルカッター キャトル]の[カップ]に裏ごししたクリームと⑨バターを入れて撹拌します。⑩バターが全体になじむまで撹拌したら、直径5cm×深さ約1.5cmほどの型に8gずつ流し入れ、冷凍庫で1時間30分~2時間、冷やし固めます。

Step 2
【B】クランブルを作る

オーブンを160℃に予熱しておきます。①[カプセルカッター キャトル]にすべての材料を入れ、②粉っぽさがなくなり、そぼろ状になるまで撹拌します。途中、容器の側面に材料がついて空回りするときは、スパチュラで材料を落として撹拌を繰り返します。③天板にオーブンシートを敷き、直径6cmのセルクル型を並べて、8gずつ入れます。④指先で押しながら、型に平らに敷き詰めるようにならし、⑤160℃のオーブンで様子をみながら約11分焼きます。香ばしい焼き色がついたらでき上がり。オーブンから出して、冷ましておきます。

Step 3
【C】ジュレ アブリコ パッションを作る

板ゼラチンは氷水でふやかしておきます。①耐熱ボウルにパッションフルーツのピューレとオレンジジュースを入れ、500Wで1分半、電子レンジで加熱します。水気を絞ったゼラチンを加えて溶かし混ぜ、②グラニュー糖、トレハロースを加えてさらに混ぜ合わせます。③~④[カプセルカッター キャトル]に1/5ほど入れ、冷凍アプリコットを加えて撹拌します。⑤~⑥アプリコットがピューレ状になったら、ボウルに戻して混ぜ合わせます。⑦冷凍庫で冷やし固めておいたSTEP1の型に8gずつ加えて重ね、さらに冷凍庫で2~3時間、冷やし固めます。

Step 4
【D】ババロワーズ イボワールを作る

板ゼラチンは氷水でふやかし、ホワイトチョコレートは湯せんにかけて溶かしておきます。生クリームは[ハンディブレンダー スリム プラス]でホイップします。[カップ]に生クリームを入れ、[カップ]ごと氷水にあてながら[ビーター]で角が立つくらいまで泡立てたらそのまま冷蔵庫で冷やしておきます。

続いてアングレーズソースを作ります。

①ボウルに卵黄とグラニュー糖を入れ、ホイッパーですり混ぜてから、②~③牛乳、生クリームを加え混ぜます。④ステンレス製のボウルの場合はそのまま、それ以外のボウルの場合は小鍋に移して弱火にかけ、ホイッパーで混ぜながら沸騰の直前(80℃くらい)まで加熱します。⑤火から下ろして、さらに[ハンディブレンダー スリム プラス]の[ビーター]でなめらかになるように撹拌します。⑥ざるで裏ごしし、今回使用する230g分を計量します。⑦~⑧アングレーズソース230gに水気を絞ったゼラチンを加えて溶かし混ぜます。

温度を計りながらホワイトチョコレートとあわせます。

①湯せんにかけて溶かしたホワイトチョコレートにアングレーズソースを大さじ2ほど加えて、ホイッパーで混ぜ合わせ(分離しないようにまず少量を混ぜます)、②~④ぼそぼそ(分離した状態)になったところに、残りのアングレーズソースを少しずつ加え、その都度混ぜ合わせます。⑤なめらかになったら温度を計ります。人肌(35℃くらい)になっているのが理想です。温度が高い場合は冷やします。⑥~⑦冷やしておいたホイップクリームも温度を計り(7~8℃に調整する)、1/3量加えてゴムべらで混ぜ合わせます。さらにもう一度温度を計り、25℃以下になっていたら適宜加熱します。⑧残りのホイップクリームを加えてゴムべらで混ぜ合わせます。

Step 5
【A】~【D】を組み合わせる

①~②STEP4の「ババロワーズ イボワール」を絞り袋に入れます。③天板やバットなどに直径6.5cmのセルクル型(クランブルの型よりもひと回り大きいもの)を並べ、型の2/3ぐらいまで絞り出します。④~⑤STEP3で凍らせた材料を型からはずし、型に重ね入れます。⑥~⑦さらに残りの「ババロワーズ イボワール」を、フタをするように絞り出し、表面をへらでならします。⑧~⑩続けて、クランブルを型からはずし、デコボコした面を下向きにしてのせ(つるりとした平らな面が上にくるようにします)、冷凍庫で約2時間、冷やし固めます。

Step 6
【E】グラサージュ ショコラ ブランをつくる

ホワイトチョコレートは湯せんにかけて溶かしておきます。①~②鍋に30ボーメシロップ、生クリーム、水あめを入れ、火にかけて混ぜ合わせます。③~④沸騰直前に火を止めて、ナパージュヌートルを加えて全体を混ぜ合わせます。⑤再び弱火にかけ、鍋の縁がふつふつしてきたら火を止めます。⑥~⑦溶かしておいたホワイトチョコレートに加えて、ゴムべらでよく混ぜます。⑧さらに[ハンディブレンダー スリム プラス]の[ビーター]で乳化させながら撹拌し、常温で休ませておきます。

Step 7
ホワイトチョコレートの飾りを作る

ホワイトチョコレートは湯せんにかけて溶かしておきます。製菓用のフィルムを長さ約25cm×幅約2cmに切り、フィルムの上にホワイトチョコレートをへらで薄く広げます。チョコレートが固まったら、写真のように温めたナイフの先で中央に波状の切り込みを入れ、チョコレートが反らないようにフィルムよりも大きいサイズのビニールシートをかぶせて重しをのせ、冷蔵庫で冷やしておきます。
※フィルム1枚分で、「イボワール」2個分の飾りになります。

Step 8
コーティングをする

①STEP6で休ませておいた「グラサージュ ショコラ ブラン」を、作業しやすいようにトロトロになるまで加熱し(35℃くらいが理想)、[ハンディブレンダー スリム プラス]の[ビーター]で空気を含ませるように(ボウルも回しながら)しっかりと撹拌。②つやよく仕上げます。③大きめのバットにラップフィルムを敷いて網を置き、STEP5で凍らせておいた材料を型からはずして(手のひらで型を温めるようにするとはずしやすい)、クランブルが下になるように置きます。④~⑤レードルで「グラサージュ ショコラブラン」をかけて表面をへらでならします。

Step 9
飾り付けて完成

①表面が乾かないうちに、お菓子の底の縁にココナッツファインをつけます(へらで持ち上げて、片手の指先にのせるようにするとつけやすくなります)。②STEP7で作った飾り用のホワイトチョコレートを直径に合わせて長さを切りそろえます。③~④ホワイトチョコレートの飾りを2枚平行にのせます。⑤~⑥ホワイトチョコレートの飾りの間に細かく切ったドライフルーツと金箔を飾ります。⑦金箔は飾りのホワイトチョコレートの縁につけます。ごく少量の「グラサージュ ショコラ ブラン」をのり代わりにしてつけると安定します。⑧さらに冷蔵庫で冷やして、「グラサージュ ショコラ ブラン」のコーティングをなじませたら完成です。

Chef’s Voice

「ホワイトチョコレート(イボワール)やパッションフルーツ、アプリコット、クランブルの味わいや食感のバランスをイメージしながら形を組み立てていくお菓子です。層を重ねるごとに、冷凍庫でしっかりと冷やし固めることも一体感のあるお菓子に仕上げるポイントになるので、作業手順を上手に組み合わせて試してみてください。アプリコットは、冷凍のまま[カプセルカッター キャトル]で撹拌することで、きれいな色に仕上げることができます」

レコルト[カプセルカッター キャトル][ハンディブレンダー スリムプラス]を使ってみて

「[カプセルカッター キャトル][ハンディブレンダー スリム プラス セット]ともにパワーがあり、機能的な部分で家庭用の調理道具の枠を超えていると思いました。今回のお菓子のように、固い冷凍のアプリコットも、やわらかいクリーム系のものもしっかり撹拌できるのも魅力ですね。デザインもおしゃれで、洗う手間がかからないところも使いやすさの大事なポイントになります。機能性と片づけやすさが両立しているので、また使いたい、と思いました。自宅にもあったら便利ですね」

Restaurant Information

Ryoura

リョウラ

東京都世田谷区用賀4-29-5
グリーンヒルズ用賀ST 1F
電話 03-6447-9406
11:00~19:00(日曜日・祝日は変動あり)
不定休
http://www.ryoura.com/

Photos_Keiko Ichihara Text_Yukari Akiyama Edit_Ayumi Kinoshita(POLYVALENT), Jun Asami(EATer)