シェフのレシピと技を伝授!Chef's

プロのシェフが、レコルトのアイテムを使って
プレミアムなレシピと技を伝授する「Chef’s ★★★」。
1回目のシリーズテーマは
プロの料理人がつくる【名店の一皿】です!

vol4

中國菜・老四川 飄香
(ピャオシャン)
オーナー・井桁良樹

Yoshiki Igeta

1971年、千葉県出身。「千葉調理師専門学校」卒業後、千葉「老四川 岷江」、柏「中国料理 知味斎」を経て、本場四川の味を学ぶため中国へ渡り、上海、四川で修業。帰国後、2005年に「中國菜・老四川 飄香」を代々木上原にオープンする。2010年「銀座三越」に支店をオープン、2012年には本店を麻布十番へ移転。現在も、年2回以上四川に出かけ、伝統料理から家庭料理まで本場の味を伝えている。

プロならではの発想で作られる料理を、自分の家で作ってみたい、というレコルト・ユーザーの夢を実現する料理レシピ講座。第四回は、洗練された四川料理に定評のある「中國菜・老四川 飄香」のオーナーシェフ、井桁良樹さんに教えていただきます。

鶏肉のスパイシー米粉蒸し

「八角、桂皮、花椒、陳皮と一緒に香ばしく煎った米を粉砕し、香味野菜や豆鼓、豆板醤、しょうゆ、甘酒などを加えた調味だれを鶏手羽元にからめて蒸し上げます。この料理はレストランや屋台、家庭料理としても親しまれている四川の郷土料理の一つで、うっすら色づくまで香ばしく煎った米とスパイスがポイント。本場四川では、煎ったものが市場で売られているくらいポピュラーなものです。スパイシー米粉を手作りするのは手間を感じるかもしれませんが、時間のあるときにたくさん作って、ストックしておくといいでしょう。常温で2〜3ヶ月保存できます。また、この料理のもう一つの味わいの決め手になっているのが甘酒。本場ではもち米を発酵させた調味料を使っていますが、甘酒で代用することができます。米と麹だけで作られている甘酒がおすすめです。鶏手羽元を引き立てる取り合わせには、食感や彩りが楽しめる夏野菜を。30分ほど蒸し上げるので、火を通してもきれいな色に仕上がる野菜が向いています。鶏手羽元にたっぷりからめた米粉の調味だれを、野菜にも添えて味わってください」

材料

鶏手羽元と夏野菜をふっくらと蒸し上げます!(使用材料の一部は、写真に写っておりません)

(2〜3人分)

  • 鶏肉とスパイス風味の米粉+調味ダレ
    鶏手羽元8本
    【スパイス風味の米粉】(作りやすい分量)
    200g
    八角1個
    桂皮1かけ
    花椒10粒
    陳皮1枚
    【調味ダレ】
    A
    しょうが(皮つき)30g
    玉ねぎ60g
    豆鼓30g
    B
    サラダ油大さじ5
    豆板醤小さじ4
    【その他の調味料】
    甘酒150ml
    カレー粉大さじ1/2
    しょうゆ大さじ1/2
    小さじ1/3
    こしょう少々
  • 野菜類
    とうもろこし1/2本
    ズッキーニ1/2本
    じゃがいも1個
    なす1本
    キャベツ1/4個
    香菜適量

作り方

Step 1
スパイス風味の米粉を作る①

まずは、米を研いで1時間ほど浸水させておきます。[ホームバーベキュー]にフラットプレートをセットして、ツマミを3(強火)にし、軽く水気をきった米、八角、桂皮、花椒、陳皮を広げて煎っていきます。香辛料は、細かくすると焦げやすくなるので、ここでは大きいまま煎ります。へらでまんべんなく混ぜながら、米がうっすら黄色く色づいたら火を止めて、別の容器(皿など)に移して、粗熱を取っておきます。

Step 2
スパイス風味の米粉を作る②

粗熱が取れたら[カプセルカッター キャトル]で細かく粉砕します。大きいまま煎った八角、桂皮、陳皮はあらかじめ手でちぎっておくと粉砕しやすくなります。これらのスパイスは、お好みの風味に合わせて、粉砕する前に分量を調整しておくといいでしょう。今回のレシピでは、八角は風味のバランスを調節するために3かけ分をちぎりました。米やスパイスは、しっかり蒸して仕上げるので粉状にする必要はありません。 ※この日使用した[カプセルカッター キャトル]は、米を完全な粉状にすることはできませんのでご注意ください。

Step 3
調味ダレを作る①

次に、調味ダレの材料を準備します。材料Aの、しょうが(皮つきのまま)と玉ねぎはざく切りにし、豆鼓と一緒に[カプセルカッター キャトル]でみじん切りにします。   

Step 4
調味ダレを作る②

[ホームバーベキュー]にフラットプレートをセットして、ツマミを3(強火)にします。温まったらサラダ油をひいて、STEP 3でみじん切りにしたしょうが、玉ねぎ、豆鼓を炒めます。香りがしっかり出てきたら豆板醤を加え、炒め合わせます。油がきれいに澄んできたら、炒め上がりの目安。ボウルに移して粗熱を取ります。

Point

豆板醤は発酵調味料なので、よく炒めることで、香り高く、おいしくなります。さらに、ここで多めの油でしっかり炒めておくことで、蒸したときにしっとりと仕上げることができます。

Step 5
鶏手羽元に味付けをする

STEP 4で作った調味ダレの粗熱が取れたら、その他の調味料の甘酒、カレー粉、しょうゆ、塩、こしょうを加えて混ぜ合わせます。ここに鶏手羽元を加えてからめ、ラップフィルムをかけて30分以上漬けておきます。

Step 6
スパイス風味の米粉をからめる

漬け込んでおいたSTEP 5のボウルに、STEP 2で準備したスパイス風味の米粉(大さじ5)を加えて全体にからめておきます。

Step 7
野菜の準備

付け合わせの野菜を準備します。とうもろこしは、約2cm幅の輪切りにします。ズッキーニは、へたを除いて縦半分に切り、約2cm幅の半月切りにします。なすは、へたを除いて縦半分に切り、約3cm幅の斜め切りにします。じゃがいもは、ピーラーで皮をむき、12等分に切ります。[ホームバーベキュー]の蒸しプレートにクッキングシートを敷いて、とうもろこし、ズッキーニ、なす、じゃがいもをプレートの縁に沿って並べ、キャベツは芯を除き、一口大にちぎってプレートの中央に敷き詰めます。全体に塩、こしょうをふります。

Step 8
蒸す

[ホームバーベキュー]にセラミックスチーム深鍋をセットして水を張り、ツマミを3(強火)にします。沸騰したら、STEP 7の野菜を並べたプレートをのせ、キャベツの上にSTEP 6の鶏手羽元を調味ダレごと重ねて(骨の部分を交互に並べると重ねやすい)蓋をし、約30分蒸し上げます。鶏手羽元に火が通ったら完成。香菜をそえていただきます。

Chef’s Recommend

「中国料理というと老酒が一番合うと思われがちなのですが、四川の人はあまり老酒を飲まないんです。今は、ワインを合わせるのが人気で、しょうゆのこってりとした料理には、きりっとスパイシーな白ワインが合いますね」と井桁シェフ。ご紹介くださったのは、フランス・ロワール地方の「テール ド ピエール 2013」のミュスカデ。「自然派のワインで、夏向きのスモーキーな香りがこの料理によく合います」。

Chef’s Voice

「米粉やスパイス、甘酒などをブレンドした調味ダレがひと手間かかりますが、これを鶏手羽元にをからめることで、鶏肉をやわらかく、しっとり仕上げることができます。今回は、夏に合わせてカレー粉をプラスしました。米粉の調味ダレは、豚肉、牛肉にも合うので、ぜひ試してみてください」

レコルト「Home BBQ」を使ってみて

「スパイス風味の米粉は、水に浸水させた米を煎るので、フライパンにこびりつきやすいのですが、[ホームバーベキュー]のフラットプレートはしっかりコーティングされているので、きれいに煎ることができました。プレートを変えるだけで蒸しものができて、温度調整も簡単なので、食卓で仕上げて蒸したてを楽しんでください」

Restaurant Information

中國菜・老四川 飄香
(ピャオシャン)

piao-xiang

東京都港区麻布十番1-3-8 FプラザB1
電話 03-6426-5664
11:30〜14:00 LO
18:00〜21:30 LO
月曜、第1・第3火曜休

Photos_Shigeki Kuribayashi Text_Yukari Akiyama Edit_Ayumi Kinoshita, Jun Asami(EATer)